九大の入試問題を見てみるよ
1 長文問題
論理問題論旨の黄金パターン「Aだったが、Bだ」の踏襲。「昔は画一教育で知識を教え込ませればよかったが、今の予測不能社会では、学ぶ姿勢をそだてなければならない」という流れが分かれば、簡単。黄金パターンを気にしてね。
問1 まとめなさい問題。しかし、訳しなさい問題と同じ。As a result から段落の最後まで。まとめなさい問題、説明しなさい問題は、どこかを訳しなさい問題、と一緒、という公式がそのまま当てはまる。
学校→授業の統一、特化した教育課程、点数で成果を測る、大量の生徒を管理
生徒は→労働現場にあうように育てる、継続的評価、長時間の座る姿勢、命令遵守に慣れるようにさせる。
以上をまとめると良い。
文体で難しいのは getting students used to… か。使役動詞のgetとbe used to「慣れる」の合体。後は単語力の勝負。
問2 和訳
まあ、構文のややこしいところを出しているなぁ。だから、問題として選べるのか。
構文から説明しよう
大枠: If… then… 短ければ簡単だが、なんか分かりづらい。「〜なら、それでは〜」だよ。
then 以後: what … beginning が主語。 focus on に and を挟んで2つの部分がかかる。その2つの前に less、 後に moreが修飾されて対比されている。だから、前にはそんなに焦点を絞らずに、後にはより多く焦点を絞る、というのが must だ、と言っている。
その2つの部分:前は skills と knowledge の並列。後は 動名詞にhow to が続く。
訳の例
もし学習がもはや若い頃だけのもの(front-loaded の意訳)でないならば、学習のスタートで身に着ける中心となるのは、特定の技術や知識ではなく、生涯教育に向けての基礎作りの方法の習得とならないといけない。
*at the beginning が斜字になっているのは、「生涯学習としての最初」と強調したいのでしょう。
問3 「今の教育とは知識が欠けていることを土台にしている。」つまり、だから、知識を伝えなければならない、教え込まないといけない、という「昔のやり方」。流れを考えれば難しくない。だから、(D)でしょう。
問4 問3と違って、これからの教育を語っている。だから、今までの教育っぽいのを選べば良い。(D)でしょう。暗記って書いてある。
問5 A技術が知識より大事BコンピュータIT技術を教えよC昔のやり方に戻るのものありD社会は教育のあり方を考えよ。
(B)はどこにも書いてない。ありそうだけど。(A)(D)は書いてあるし、(C)はこの文章の中心である。
2 長文問題
話の流れはこんな感じだ。
「無意識は行動を支配するのか」→「Libetが実験した」→「なんかありそうだ、位の結論」→「Vicaryのサブリミナルの話」→「捏造」→「決定打は出ない」→「何かはありそうだが、無意識以外の要素もある」
白黒がはっきりしない、グレーゾーン的な展開で、理解が難しいかも。
問1 life choices をするなぁ、と三番目の文に書いてある。その例になるようなのを選ぶ。気候変動、人生の意味、車を買った理由、どうしてそこで生まれたか、という4つの選択。生活で選んでいるのは、車を買った、ことでしょ。だから、(C)で。一見すると絶対に違うような感じがするけどねぇ。
問2 結局、訳しなさい問題ということ。次の段落を頑張って訳せばいい。単語力勝負。participant, revolve, urge, via, detect が勝敗の結果を握っているかな。でも、受験の単語参考書にあるんじゃないかな。構文的に難しいのは all those の those かな。ほら、peopleと同じだよって、those who で出てくるの。こんなのもありだね。加えて主語がallね。「〜だけする」だ。それと、使役動詞構文があるよ。had+O+過去分詞だ。段落全部訳しとうこうか。
実験参加者はある調整済みの時計の前にゆったりと座っていてくれと言われる。時計はぐるりと光が点滅する。参加者がするのは、ただ、したくなったら指を曲げるだけ、そして、そうなった時の点滅の位置を覚えておくこと。と同時に、参加者はこの間脳の動きを記録しておく。
問3 訳の問題。that が4つもある(一つは省略)ので、何だこれ、みたいな感じかな。こんなのをも問題に選ぶんだねぇ、大学の先生は。
最初のthat、名詞節をつくる、knowの目的語。次のthatは関係代名詞、三番目は名詞節を作る that節のthat省略 suggest の目的語。四番目は同格の that 節。しかし、thatで始まる節を4つも用意するなんて、ここを問題にした人は得意顔だろうな、とか思う。パズルだよ、パズル。
全体→私達はthat節のことを今知っている
最初のthat節→この実験の内容にいくつかの基本的な問題があることを
関係代名詞節→〜だと示唆している実験の内容。
次のthat節→〜という主張は非常に誇張している。
同格のthat節→無意識が基本的に行動を支配しているという主張
「無意識が基本的に行動を支配しているという主張が非常に誇張していると示唆している実験の内容にいくつかの基本的な問題があることを今知っている」
答は直訳的にこうなるが、まぁ、こう答えるしかないけど、日本語じゃないなぁ。「この実験で無意識が行動を支配しているなんて言えない」ということ。
問4 〜すら〜だろう、という漢文の構文的なの選ぶのでしょう。「キーボードのボタンを押すだけでなく、人生の選択までに及ぶ」。let alone,を選びたいね。
問5 これって、そのぉ、分詞構文なんだよ。That (being) said, という形としては、分詞構文の受動態+主語付き、という難しいパターン。でも、普通に、「とか言いましたけど」みたいな感じで使う。分詞構文の意味も稀な譲歩と、難しい。(D)だろうねぇ。
問6 これは Vicaryが捏造した人だというのが分かった人は楽勝だったでしょう。came clean でfake をadmitって書いてある。(C)が答だ。
3 長文問題
ヒューマンエラーにおける、biasとnoisy の話。bias と noisy の意味が分かれば、全体が見えてくる。biasはバイアスという日本語にもなっていて分かりやすいが、noisy の方が「煩い」って何?と理解を阻む。だからか、話の中心はnoisyの方。しかし、すぐに systematic deviation と random scatter と説明が書いてあるが、単語が難しい。わかりやすく言うと、「規則がありそうなズレ」と「あっちこっちバラバラ」だろう。
noisy にもっと注目しよう、という主張。
問1 表にすると次のようになる。ここが分かるか分からないか、に全てがかかっている。いい問題だなぁ、と思う。
Team A bias× noisy× (ア)bias○ noisy○
Team B bias○ noisy× (イ)bias× noisy×
Team C bias× noisy○ (ウ)bias× noisy○
Team D bias○ noisy○ (エ)bias○ noisy×
問2 systematic deviationを見つけることができるか? 単語の意味が分からなくてもできるぞ。
問3 訳のポイント。入れ子状態の構造。構造を見破れ問題がまた出た。
It shows what ……………………………………
(疑問詞whatの中) you… …if………………… 仮定法になっている
(接続詞ifの中) if……targets (at which………),(without ………)
(withoutの中)without ……bull’s eye (関係代名詞〈省略〉……)
五重構造、というマトリョーシカ。
「それは、もしアーチェリー場で狙っている中心マトを示さずにティームが狙っているマトの裏側を見せたならどう見えるかを示している」
bull’s eye が初登場って感じでしょうねぇ。ヒントもない。マトの中心のマトです。
問4 説明しなさい問題も訳しなさい問題、というパターン。前の段落の最後の文のthat 節を訳せばいい。
ターゲットとかバイアスとか知らずともnoisyがあるのは分かるし、計測できる。
recognize が難しいかも。「理解する」という意味は知っているかもしれないけど、「それが何であるか、誰であるかが分かる」というのまで知っていれば凄い。
問5 また、入れ子状態を訳す問題。好きだねぇ、九大。
同じ件での判断がどれくらい変動するかを測るのに誰が正しいかを知る必要はない。
問6 (D)でしょ。全体内容がわかっていれば、サービス問題。
4 自由英作文
「移民問題」というよくあるパターン。benefits/drawbacks をまとめておくから。
良い面 benefits
労働力不足問題の解消、国際社会での日本の地位の向上、人権感覚の向上、国際感覚意識の向上
悪い面 drawbacks
地域社会でのトラブル、日本の文化習慣の崩壊、経費の負担、日本人雇用の阻害
こんなところをまとめると良いでしょう。
5 自由英作文
数字、増える、減る、倍数の表現ができるか、という問題。UFOというテーマに、受験生に寄ったか、とかと思った。
number, increase, decrease, …times というのを入れると良い。それから、段々と増える、急に落ちる、というのを上手に表現する。year by year とか keep…ing とかdrasticallyとか、suddenly とか。
下の一例として書いてみました。
The number of UFO sightings in 1990 was just 319. After that, except a couple of years , it kept increasing until 2014, when it reached 8736, as over 25 times many as that in 1990. Then, it dropped drastically, but in 2018 it began to increase again.