[EnglishMonger 英語屋さん]

冠詞という文法は、日本人にとってわかりづらいものです。ベテランの学習者でもここはどの冠詞?冠詞いる?みたいに悩むくらいです。しかし、隅から隅まで言うと、分厚い本ができそうなので、ポイントだけを押さえたいと思います。

いきなりのポイント!二つ!

単裸ダメ

A何Theそれ

ダラダラと見るなら文法の参考書を読むと良いのですが、冠詞の所でも、ズラリと項目が並んでいます。ズラリと並んでいるから、一つ一つが同じように大事な感じがします。それを一つ一つを暗記するのが勉強かもしれませんが、この勉強法では大事なコア部分が分かりません。なので、結局、冠詞が分かったような分からないような感じになっていきます。

冠詞に関して、ここが分かると、なんか良いぞ、というコア部分が二つありますので、ここを説明します。むしろ、文法の重箱の隅を突くような問題では訳に立ちませんが、普段学習している全ての英文に関わってくるので、ここを押さえておくと、英文が書けるようになります。その二つとは

 

1 可算名詞の単数形が無修飾の単独はない →「単数裸はダメ」という略→「単裸ダメ」という略

2 a は「世の中に沢山あるどれか一つ」 the は「世の中に沢山あるが、どれを指しているか分かる」 →「a は何でも、theはそれ!」という略→「a何theそれ」という略

1 可算名詞の単数形が裸(無修飾)の単独はない

裸、とか私の独特な表現でポイントを提示しました。

数えられる名詞の単数形は、それだけをポツンと何も修飾するものなしで使わない、ということです。英語の文を作るときに、どんな簡単な文でも、この事を知っていていないといけません。例えば、「彼はリンゴが好きだ」という中一レベルの簡単なものですが、しかし、もうこの冠詞のポイントが必要になります。

この英作文を

×He likes apple.

とするな、ということです。appleという可算名詞をポツンと使われています。これが私の言う裸で単独、というものです。

では、どうしたら良いのか?

これを回避する方法は二つあります。

(1)裸なのに服を着せる。つまり、以下のものをつけるのです。

 a, an / the / 所有格 / 指示代名詞 

 I like an apple.  I like the apple.   I like her apple.     I like this apple.

以上のような形であれば、意味は違いますが、文法的には落ち着きます。

(2)単数形ではなくて、複数形にする

 I like apples.

複数形は単独で用いることができます。しかも、「モノを全体的に示す時には」 複数形単独という形になります。ですから、「私はリンゴが好きだ」というのを英文にすると

I like apples. 

が正解になります。

不可算名詞(数えられない名詞)がそうではないから、学習者にとって厄介です。

不可算名詞は裸の単独OKなのです。money という不可算名詞を使いましょう。「彼は金が好きだ」はこうなります。

He likes money.

先生の中では、冠詞は難しいから、生徒の英作文では、冠詞はほったらかしておこうという添削になります。説明するのも手間がかかるからですし、先生達にもどう書くかが難しいのです。

*例外的に無冠詞になる場合のコメント

go to school や stay in bed とか無冠詞になるよ、もう熟語で覚えちゃいなさい、とか言う説明で、大体逃げるのですが、少しコメントしておきます。

 a とかかがつくと、何か目にひとまとまりとして見える、という感じになります。

だから、「通学する」なり「安静にしておく」という時の、school と bed は、具体的なモノではなくて、目に見えない抽象的な、通学、安静、という意味に寄ってしまっています。抽象名詞化しているので、無冠詞でOKなのだと思います。抽象名詞は数えられません。

2 a は「世の中に沢山あるどれか一つ」 the は「世の中に沢山あるが、どれを指しているか分かる」

さて、上で可算名詞の単数形には a とか the とか付けようと書きましたが、次にポイントになるのは a と the の使い分けです。

a は「世の中に沢山あるどれか一つ」 the は「世の中に沢山あるが、どれを指しているか分かる」

a がついた名詞は、なんか一つ、the がついた名詞は、指しているのが具体的に分かる、ということです。a を不定冠詞、どれか定まっていない、the を定冠詞と呼ぶのは、そういうことです。

英作文で「ドアを開けて」というのがあるとします。 door は可算名詞なので、裸の単独ではいけないので、ここは a か the を付けましょう。

1 Open a door, please.

2 Open the door, please.

文法的にはどちらもOKです。しかし、おそらくは the door です。

「手が塞がっているから、ドアを開けて」という状況だったら、絶対に the door です。

理由は、the はモノを指定しているからです。つまり、世界中に何億とあるドアのうちの「あれよ、あのドア」というのが分かっているからです。開けないといけないドアはただ一つです。

そのドアを開けて、とか日本語で一々言わないから難しい。

Open a door.  だったら、世界中に何億とあるドアのどれを開けてもいいのです。

a は「世の中に沢山あるどれか一つ」 the は「世の中に沢山あるが、どれを指しているか分かる」 というまとめ方になります。

the の指定は可算名詞、不可算名詞のどちらも使います。

I want peace.  ←まぁ、抽象的に「平和」という感じです。

I want the peace of Ukraine.  ←「ウクライナの平和」と指定/限定されました。

the sun とか the moon とか、地球人の我々にとって一つしかありませんので、the がついています。

まとめ

1 可算名詞の単数形が裸の単独はない

2 a は「世の中に沢山あるどれか一つ」 the は「世の中に沢山あるが、どれを指しているか分かる」

とりあえず、この二つのポイントを頭に置いて、英文と取り組んで下さい。そのうちに、冠詞が分かってきます。

しかし、説明ができないのも、ありますから、大変です。

You play the piano after school.

I listened to the radio yesterday.

この二つなんか、指定/限定、的な説明では the が解説できないのです。チョコチョコと説明を見たりしますが、ウーン、という感じです。どのピアノ? どこのラジオ? ってならないのですよねぇ。

まぁ、言葉ですから、100%適用するルールなんてないのですよ。

ということで、説明は The End です。 沢山の「終わり」がある中で、この記事の「終わり」ですから、the がつきます。

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