2016年登場の「ポケモンGO」が大流行し、私もその波に攫われて必死に歩いてゲットすることになりました。で、ミューとミューツーをゲットしてそれで一応終わりとしました。ブームは終わりましたが、現在もまだプレーヤーがいるようです。
Pokémonは海外でもブームで、ポケモンの名前も各言語で作られました。その英語名を少し見てみたいと思います。第一世代のみですが、興味深いものがあります。
1 フシギダネ Bulbasaur

「bulb(球根、電球) + dinosaur(恐竜)」。英語名は進化していくと名前の前半が変わる。フシギソウ→フシギバナがIvysaur→Venusaurになる。ivy は「ツタ」、venusはvenus flytrap「ハエジゴク」から来ている。

2 ヒトカゲ Charmander

「char( 炭にする) + salamander(サンショウウオ)」。lizardにこだわるかと思うところだが、charにこだわった。これは進化していくと名前の後半が変わる。リザード→リザードンが、Charmeleon→Charizardになる。chameleon(カメレオン)とlizard(トカゲ)だ。Charmeleonはchameleonと発音がほぼ同じになっている。
3 アーボ Ekans

snake(蛇)を逆さまにした形。なぜ逆さまかというと、日本語のアーボがボアというヘビの名の反対になっているからだろう。アーボックはそのまま Arbok。これは日本名がcobraの反対からの読みになっているから。
4 ピカチュウ Pikachu

日本語の読みそのままである。理由はわからないが、ピカチューの英語名はいいのがないなぁ、もうピカチューそのままで良いっしょ、みたいに命名者が思ったのかな?flash+squeakでflasqueekという候補があったかもしれない。
5 キュウコン Ninetales

「nine(9) + tail(尻尾)」。なぜ、tail がtale「物語」になったのか? 九つの話にこだわりがあるのか? で、調べるが、唯一ひっかかったのが、Nine Storiesというサリンジャーの短編集だった。日本にもファンがいる A Perfect Day for Bananafishが入っている短編集だ。命名者がサリンジャーファンだった、というオチだったら楽しい。
6 プリン Jigglypuff

「Jiggle( (…を)軽く揺すぶる) + puff(フワッとふくれたもの、プットふくこと)」。外見の印象を英語にした。食べ物のプリンならcustard puddingとかが直訳だけど、プリンの形をしていない。シュークリームのcream puffの方が姿が近い。まぁ、puffという語感も良い。フワッ!
7 ケーシィ Abra

「Abracadabra(手品等で用いられる呪文)」。そもそも、なんでケーシィなのだろうか?調べると、アメリカに「エドガー・ケーシィ」という催眠術師がいたということだ。

8 ワンリキー Machop

「macho(男らしい、男らしい人) + chop (チョップする、ぶち切る、刻む)」。ただただ、上手な訳だなあ、と。一番好きな英語名。
9 イシツブテ Geodude

「geo(地球・土地の接頭辞) + dude(やつ、人)」。dudeというのがあって、「土な奴」みたいな砕けた感じで、とても楽しい。そこらへんにいそうだ。みんな、Dude!と男友達に呼びかけている。
10 カモネギ Farfetch’d

「far-fetched(こじつけの、無理な、もって回った)」。この命名の経過が謎である。「カモネギ」は「好都合」とか「金をむしり取れる奴」とかの意味だが、それがどこがどうなって「farfetched」になったのか?頭を捻ってしまう。誰か「カモネギ」の意味を英語命名者に説明した時、「ありえないくらいの好都合」の「ありえないくらい」を強調したとか。または、単純に「マユツバ」と間違って教えたとか。とにかく、この命名自体が farfetchedになっている。
11 イワーク Onix

「onyx(しまめのう、オニックス)」。パワーストーンの一つの「しまめのう」だが、それがネックレスやブレスレットのように数個が繋がったイメージから拾っている。

Onyx Necklace
12 タマタマ Exeggcute

「egg(卵) + execute(命令する、処刑する)」。なんだが二つ合わせてカッコいい名前になっている。どんな処刑かわからないが、ちょっと怖い。
13 サワムラー Hitmonlee

「Hitmonlee hit(打つ) + monster(怪物、モンスター) + Bruce Lee(ブルース・リー)」。サワムラが往年のキックボクシングのスター沢村忠から来ている。この人名パターンを英語でも踏襲している。格闘技繋がりで、全世界が知っている Bruce Leeを英語は採用している。

14 メタモン Ditto

「ditto(同じく、同上、複製)」。メタモンのメタは何から来ているかわからない。たぶん、メタ「高次の」だろう。英語名はこのポケモンの「化けて変わる」という能力を表している。Ditto「同じだ」という単語を使っているのが面白い。個人的にはこの単語は映画「ゴースト/ニューヨークの幻」を思い出す。映画のキーワードになっている。I love you.の返事がこれだった。
「ゴースト/ニューヨークの幻」Dittoシーン 幽霊の恋人がこれを言うので分かる。
15 ミューツー Mewtwo

「mutant(突然変異) + new(新しい) + two(2)」。日本語そのままのパターン。Twoがそのまま使われているのが、逆に意外。そこ、捻らんのかい!っと。しかし、ミューツーはカッコいい。有名なセリフが次。
“I see now that the circumstances of one’s birth is irrelevent, it is what you do with the gift of life that determines who you are.” どのような生立ちを過ごしたかではなく、授かった命をどう進むかが、自分が何者かを形成するのだ。
このセリフのシーン
「ポケモン英語語源辞典」サイトより第一世代のポケモンの英語名