馬場猪木時代から闘魂三銃士の時代まで、よくプロレスを見てきて、最近は、少し新日を眺めているというプロレスウォッチ歴。小さい頃に見た技の名前やレスラー名が、後々の英語の勉強につながっていきました。あっ、そう意味だったの、という感じです。今回は、技の名前を見ていきながら、自分の思い出を綴ってみたいと思っています。
プロレスで英単語を覚えた!とう強者もいました。私も、そうですけど。
アイアン・クロー iron 鉄 claw かぎつめ

フリッツ・フォン・エリックの得意技。手で両こめかみを掴み締めるという単純さ。しかし、掴もうとする手を相手がそうはさせないと手首を捕まえて止める。これだけで数分間の攻防がある。馬場とエリックの試合。でも、昔はこれで盛り上がった
アックスボンバー ax 斧 bomber 爆撃機・爆撃手

イッチバーン、のハルク・ホーガンの決め技。相手をロープに振って、返ってきたところ、肘を顔面に叩きつける。ハンセンのラリアットを真似したような感じ。ホーガンは猪木を舌がでる程倒して、その後、世界一のスターになった。
アルゼンチン・バックブリーカー Argentine アルゼンチン back背中 breaker破砕するもの

往年のアントニオ・ロッカが作った技。彼がアルゼンチン出身だった。来日することはなく幻の選手であった。しかし、彼とこの技は、私らプロレス小僧はみんな知っていた。カナディアン・バックブリーカーもあって、両方知っていた。
エルボードロップ elbow 肘 drop落とし

この技といえば、ブッチャー。額から血を流しながら、重い体重をのせて、肘を相手に落とす光景が目に焼き付いている。今では決め技とかに絶対にならないが、当時はこれで決まりであった。
オクラホマ・スタンピード Oklahomaオクラホマ stampede 家畜の大暴走

ボディスラムを自分の体ごとマットに叩きつける。スティーブ・ウィリアムスが使っていた。stampede が牛の大群が大暴走することと知ったのは、ずっと後であった。一人で牛数百頭の威力。
キャメル・クラッチ camel らくだ clutchぐっとつかむこと

相手の背中に馬なりに乗って、顎を浮かんで海老反りにさせる。ラクダに乗っている感じになっている。で、この技といえば、もう、ザ・シーク、アラビア系レスラー。アラビアのイメージとラクダを繋げる操作は、見事なギミックだ。
ギロチンドロップ guillotine ギロチン drop落とし

ジャンプして、倒れた相手の上に片足を落とす。ハルク・ホーガンが使っていた。ギロチンって名前の付け方が、まさに、その通りで、命名が上手だなぁと感心する
コブラツイスト cobra コブラ twist捻り

これは、もう、アントニオ猪木。私たち男子児童はほとんどがこの技を再現できた。しかし、猪木は相手をロープに振る。そこはできなかった。猪木は、その後、返ってきた相手に足を巻きつけ、背後に周り、腕をあげたままで首に手を回して締める。プロレスで最高にカッコ良い瞬間であった。twist がダンスの一種の意味もあり、元は、締め上げる、という意味であるのを知るのは、10年後くらいになる。
ジャイアント・スイング giant 巨人 swing振り回し

相手の両足を両脇に抱えて、回転する技。何も効かないだろうと言うのは、興醒めになるから、誰も言わない。観衆は回転数をカウントするのを楽しみにしている。馳浩が頑張っていた。
シャイニング・ウイザード shining 輝き wizard魔法使い

命名が漫画に出る必殺技のように、言葉の格好良さだけを使っている。実際の技と魔法使いは何の関係もない。この命名パターン「リングにかけろ」が最初ではないかと睨んでいる。ギャラクティカ・マグナム、とか言っていた。武藤敬司の必殺技で、これやっていたら、確かに膝悪くなるよな、と思う。
ジャンピング・ニーバット jumping ジャンプする knee膝 butt 叩く

ジャンボ鶴田を思い出す。ただの膝蹴りだ。鶴田よりもさらに昔のこと、キックボクサーの沢村忠の必殺技「空中跳び膝蹴り」があった。当時の日本人全員がこれに痺れた。ここで「膝蹴り」が使われたので、プロレス界は英語を使ったのかもしれない。ニーパッドとよばれることもあるが、それは膝当てなのだが……膝当てで膝蹴りするからか?
スコーピオン・デスロック scorpion 蠍 death 死 lock 固め

この技を言葉で的確に言葉で説明するのは、もう、無理だ。組んだ足を脇に抱えた逆エビ固め、としかいえない。尻尾をあげて威嚇する蠍のような形になる。命名としては最高の出来具合ではないのか? 長州力の決め技であった。仰向けになった相手の足を掴み、くるっと回転するその流れを、皆が必死で練習した。
スピアー spear槍

タックルして、相手を倒す技。当初、日本人が使うイメージはなく、アメリカにゴールドバーグというスーパースターがいて、その人が使うんだ、という感じだった。送られてくる動画を見ると、確かに、タックルが強烈で、必殺技だ、と思った記憶がある。
スピニング・トー・ホールド spinning 回転する toe足指 holdつかむこと

ファンク兄弟。仰向けに倒れた片足を掴み、回転しながら締め上げる。相手はすぐに逃げられるだろうと思っていたが、そうではないのだろう。なにしろ、ファンク兄弟の見せ場だからだ。ファンク兄弟の入場曲の名もこれ。この曲は私の一番のお気に入りレスラー入場曲だ。こちらがその曲。https://youtu.be/hTgpladK0kk
スリーパーホールド sleeper眠らせるもの hold固め

後ろからの首絞めだ。後年のアントニオ猪木の決め技になっていた。反則ではないのか、とも思ったが、猪木だろ、言わぬが花、的なものだった。
タイガー・スープレックス tiger 虎 suplex スープレックス

タイガーマスクのスープレックス。(スープレックスについては後述)。タイガーマスクがすごかったのは、それまでに見たことのない技を次々に見せたことだ。そのうちの一つ。相手の両腕を背中越しに掴み、それで、スープレックス。
ダイビング・ヘッドパット diving 飛び込む headbutt 頭突き

コーナポストから相手に向けて落ちるように向かい、頭突きを当てる。最初、ハーリー・レイスがしたのを見た時驚いた。さらに、後年、ダイナマイト・キッドがコーナーポストから高くジャンプして飛び込んだのを見た時にはさらに驚いた。無茶すぎる。彼が早死にするはずだ。
ダイビング・ボディーアタック diving 飛び込む body体 attack攻撃

これはもう、ミル・マスカラス、Sky High の音楽が流れる。覆面レスラーはこのミス・カラスの人気で増えたのではないか。千の仮面だ、ミル・マスカラス、ただただカッコ良い。
ダイビング・ボディープレス diving 飛び込む body体 press圧すること

ただただ、体を倒れた相手に自分の体を浴びせる。単純だが、体重があれば効くだろう。アンドレ・ザ・ジャイアントがすれば、そりゃ、ヤバいだろ。
ダブルアーム・スープレックス double 二重 arm 腕 suplexスープレックス

人間風車だ。ビル・ロビンソンだ。これで、勝負が決まった、昔は。国際プロレスに登場したビル・ロビンソンは無敵であった。強かった。
チキンウィング・アームロック chicken wing手羽 arm腕 lock固め

関節技。UWFの藤原喜明が使っていた。UWFの関節を取ったり取られたりの、一見地味な、目の肥えた人からはワクワクする展開での技だった。これで、金を取るエンターテイメントかと言われたら、そうではないだろうな、と思う。関係ないが、チキンウイングと聞くと、唐揚げ手羽先を思い出す。
ツームストン・パイルドライバー tombstone 墓石 pile driver杭打ち機

墓石の杭打ち、とまさにそのままの技だ。逆さに抱えた相手の頭を股に挟んで、そのまま、頭をマットに打ち付ける。頭しか受け身ができない。どう考えても、酷い技だ。これは禁止にしたほうが、と思ってしまう危険技。受け身とか不可能ではないのか。
ドラゴン・スープレックス dragon 龍 suplexスープレックス

藤波辰巳がドラゴンと呼ばれ、その技はドラゴンの名がついていた。これ以降、いろいろとスープレックスが出てきたような。ちょっと応用したら、新しい名前で登場、って感じ。スープレックスの創始者カール・ゴッチも、どこまでやるんだ、と驚きだろう。
ニー・ドロップ knee 膝 drop落とし

ブルーザー・ブロディだ、これは。跳躍して、膝から落ちる。他のレスラーはコーナーポストからだったが、ブロディは走って跳躍して落としていた。あの巨体が宙を浮く。
ネック・ハンギング・ツリー neck hanging tree 首吊りの木

相手の首を両手で掴み、吊り上げる、という単純な力技。まぁ、その威力は分かるが、地味だ。この技と結びつくレスラーを思いつかない。
ノーザンライト・スープレックス northern 北の light光 suplexスープレックス

馳浩の決め技のフロント・スープレックス。北の光という名がなぜついたか分からない。馳浩は今石川県知事。確かに北陸の光なのかもしれない。
バックドロップ back 後 drop落とし

昔、プロレス必殺技の代名詞であった。鉄人ルー・テーズの技。私は力道山を見てない世代だが、それでも、二人の戦いはすでに伝説であった。その後、ジャンボ鶴田が正統派使い手で名を馳せたが、今や普通に凄い技の一つという身分。プロレス技は進化する。
パワースラム power 力 slam 激しく叩く

ロープに返ってきた相手をボディスラムに抱えて、反転して後に体重をのせて叩きつける。誰がやっていたかという記憶はないが、ロード・ウォリアースとかのパワー系のレスラーが得意だったはずだ。アメプロっぽい感じ。
パワーボム power 力 bomb爆弾

テリー・ゴディで初めて見て、でも、使い手のイメージは天龍だった。太ももを抱えて、空中にあげて、そのまま、体をマットに叩きつける。で、そのまま、押さえ込み。なんとも、力が要る技だ。
フィギュア・フォー・レッグロック figure 数字 four四 leg脚 lock固め

四の字固め、の、ザ・デストロイヤー、というの、当時の男子はみんな知っていたんではないか。誰もがこの技をかけることができた。デストロヤーはバラエティ番組にも出る人気者だった。この四の字固めは、かけている状態をひっくり返すと、かけた方が痛い、という、少しコミカル感がある技で、試合では引っくり返し合戦みたいになっていた。フィギュアーフォーが「数字の4」というのを10年後くらいに知る。
フライング・クロスチョップ flying 空を飛ぶ cross交差 chop叩き切る

ミルマスカラス、千の仮面。昔のゴツゴツなレスラーの中で、ダンディな感じで異彩を放っていた。ドロップキックくらいしか空中殺法がない時代では、抜群にかっこよかった。タイガーマスク登場まで、跳び技レスラーの代名詞だった。
フライング・ニールキック flying 空を飛ぶ knee膝 kick蹴り

空中回転、膝裏の脚当て、みたいな感じの技。藤波辰巳VS前田日明の試合を思い出す。前田の一撃に藤波流血、というハラハラドキドキの試合だった。あのでかい前田がやれば破壊力抜群だった。
ブレーンバスター brain 脳 buster破壊するもの

思い出はディック・マードック。相手を逆さに持ち上げ、ブレンバスターとか叫んで、背中を叩きつけるのではなく、ゆっくりと頭からリングに落としていた。首ぐにゃ、って感じで、頑丈なレスラーでも死ぬんではないかと思った。
フロントスープレックス front前 suplexスープレックス

スープレックスって色々パターンがあって、前田日明なんかは七色スープレックスとか言っていた。そのうちの一つ。正面から抱えた相手をブリッジで後に投げる。あんまりあれこれと出てくると、スープレックスという名前の持つ威厳が薄れていった。
ベアハッグ bear 熊 hug抱きしめる

単純に相撲の鯖折り。力技も力技、昔はこれでも必殺技だった。ブルーノ・サンマルチノを思い出す。人間発電所と呼ばれていたくらいだから、その力だけでトップスターだった。
ボストンクラブ Boston ボストン crab蟹

このクラブが、「蟹」だと知らないまま、この年まできていた。「倶楽部」だと思っていた。ボストン出身のレスラー一団の技だろう、と。なんかのきっかけで、蟹、だと知った。姿は、どちらかというと、エビだ。日本語の逆エビ固めの方がビジュアルにあっている。相手が泡を吹くから、蟹か。
ボディースラム body 体 slam激しく叩く

まぁ、普通の技で、体を反転して持ち上げ、マットに叩きつける。普通すぎる技。しかし、アンドレ・ザ・ジャイアントがこれをくらうと最高のパフォーマンスになった。猪木が投げたら、館内騒然。これだけで、記憶に残るくらいだから、むしろ、アンドレがすごかったってことだ。
モンゴリアン・チョップ Mongolian モンゴルの chop叩き切る

キラーカーンの、上からの両手チョップ。ジンギスカンのカーン、のモンゴルのモンゴリアン、という、まぁ、アメプロにある外国系悪役ギミックのパターン。異国の悪役好きだなぁ、アメリカ人。力道山の空手チョップの流れもすこし汲んでいる。
ラリアート lariat 投げ輪

スタン・ハンセンの技。ラリアートなんてマイナーな英単語を日本に根付かせた。しかし、投げ縄という意味をほとんどの人が知らない。ラリアット、もしくは、ラリアート。寝転んだ相手を起こしてロープに振る前に、ハンセンは肘のサポーターの位置を正すポーズをする。観衆はそれを見て、次の技を想像して、沸く。歌舞伎並みの大見得だった。役者だなぁ。必殺技総選挙があれば、第一位になるのではないか?
ローリング・ソバット rolling 回転する savateフランス語の「靴」から護身術の一つの名に

タイガーマスクが躍動していた。そのシーンを回想すると、その一つが後回し蹴りだった。プロレスにブルース・リーのカッコ良さを最高に表現していたレスラーであった。短い期間の活躍だったが、プロレス史上でそのインパクトは格段に強烈であった。
*スープレックス 語源にはいろいろな説がある。super-excellenceの略だという説や、アマチュアレスリングのそり投げsuplay という説とかがある。私的にはカール・ゴッチが super-excellence hold というのを略したというのが好きである。